彼氏の余命を知ってる彼女。



そんな気持ちが伝わったのか、ヒカルは優しい笑顔で頷いた。


「わかった。俺も早退するよ。教室から鞄持ってくるから待ってて」


そう言ってヒカルは保健室を出て行った。


急にシンと静かになる保健室の中。


ふぅ、と深いため息をつく。


…熱のせいであんな夢を見たのか、気を張り過ぎてあんな夢を見てしまったのかはわからないが、胸の中に小さな胸騒ぎが残ったまま。


「ヒカル…」


夢の中で最後に呟いたあの言葉──、