彼氏の余命を知ってる彼女。



マントから取り出された分厚い本、死神曰く“デス・ブック (DEATH BOOK) をペラペラと無言で捲る死神。


私はただそれを見ていることしかできない。


そしてページを捲るのを止めて、死神はそのページをジッと見ている。


さっきから黙っている死神に我慢できなくて、私は口を開く。


「…あの、さっきの話し…」


「あぁ。この本に記されているスギヤヒカルの死因は“病”。だが、君がスギヤヒカルの余命を知っていることから、死因が必ず“病”とは限らないのだ。君がスギヤヒカルを守ると決意してから死因の記載部分が薄れてきている。だがら我々にもはっきりとした事は言えないのだ」