彼氏の余命を知ってる彼女。




…あ、まさか、ヒカルは寒がりな私のために、マフラーを持ってきてくれているのか…。


多分…いや、きっとそう。


そう思うと私の胸の中は嬉しさでいっぱいになり、使ってない片手でマフラーにそっと触れた。


そして心の中でヒカルに改めてお礼を言う。


こんな、人に気遣いが出来て、優しい人がどうして死ななければいけないのだろう。


神様は不公平だ。


悪人はこの世にずっととどまり、善人を連れて行く。


もし、このままヒカルを連れて行くなんてしたら、私は神様を一生恨み続ける。