彼氏の余命を知ってる彼女。



「寒い…っ!早く店内に入りたい」


うー、と声を出しながら唸っていると、温かい何かが首に巻きついた。


それは、ヒカルの匂いが染み付いたマフラーだと気付くのに一秒もかからなかった。


大好きなヒカルの匂いに包まれた感じがして、落ちていたテンションが一気にあがる。


「ありがとう~」


「いいえ~」


…あれ?


ヒカルはあんまり寒がりではないから、需要のないマフラーを学校にしてくるはずがない、と疑問に思う。