…私が少しでも声を張ると注意するくせに。 なんて思いながら私は立ち上がり、ヒカルと共に図書室を出た。 「帰り、本屋さん寄ってもいい?」 玄関にて、ヒカルが靴を履き替えながら私に聞く。 「うん、いいよー。私も今日発売の漫画欲しかったからちょうど良かった」 私もローファーに履き替え、外に出ると、雨は止んでいたが、代わりに風が吹いており、私の嫌いな寒さが肌にしみた。 一瞬にしてテンションが下がる。 「うわっ、寒い!ヒナ大丈夫?」 そう言って私の手を握るヒカル。 その手を私も握り返す。