…どうして人の命を救うには、他人の命を引き換えにしなければならないのだろう。 誰がこの方法を定めたのかはわからないけど、この世界で起こる“矛盾”の穴を埋めるような方法。 「矛盾を埋める、か…」 その矛盾を埋めるモノは生物の魂しかない。 小さなため息を静かについていると、死神がポツリと何かを呟いた。 「…何故、人間というものは感情というものを持ち合わせているのだろうか…」 この死神の言葉を聞いた瞬間、私の視界が真っ暗になっていった。 そしてゆっくり現実に戻っていく。