彼氏の余命を知ってる彼女。



「…っう…ひく…、私はどうすれば…いいの…っ」


一気に目に溜まっていた涙が溢れ出す。そして、私の気持ちを死神にぶつけた。


流れる涙を拭わずに嗚咽を抑えていると、死神がゆっくり身をかがめた。


「…我々にはどうすることもできない。救う事も、止める事も。

だが、こう思う。君が彼氏の為に帰らぬ人になり、彼氏が生き延びる。それで彼氏が喜ぶと思うのか、感じると思うのか」


「…っ喜ばない事くらいわかっていますよ!身代わりの事実を知らなくても私が死んでしまったらヒカルはきっと悲しむ!でも…っ、これしか…方法が…思いつかなくて…」


叫びながら大泣きする私に、死神は私の目から視線を離さない。