「でも…、前者の話でも殺された人の魂は殺した犯人を恨んだり色々な理由で、魂が彷徨って幽霊などになっているじゃないですか」
実際にそういうのは見たことはないが、テレビ番組でこんなことを言っていたような気がする。
すると死神はまた小さく口を開き、話し始めた。
「それは、君達の言葉では“地縛霊”などの、その場に縛り付けられ離れなない霊の事だ。
君は、動きながら彷徨っている魂と、ピタッとその場に止まって彷徨っている魂を見てどちらが管理しやすいと思う」
まるで小学生に対する質問の問い。
私は少しムッとしながら「止まってる方…」と答えた。
「そうだ。我々が魂を全て自ら保護しに行くわけではない。そういう地縛霊など特殊なものになった魂を人間界で保護するのだ」
「…なら、その特殊なモノたちもちゃんと死神さんが管理しているから…身代わりの方法は効果があるって事、ですか…?」
「そうだ。彷徨っている魂などを捜して管理して、なんてサイクルをしていたら我々が果ててしまう」
そう言って、またあの迷惑そうな表情をする死神。

