彼氏の余命を知ってる彼女。



「…でも…」


ヒカルが口をつぐむ。


「…もう大丈夫ですから。転校もしますし、私は強くなりましたから」


なんの事を話しているのか私には理解出来ないけど、凄く深刻な事だというのは分かる。


「でも俺からは言えないよ。言うなら君からヒナに言って」


目を伏せ、俯いてそうヒカルに、一年生の子は静かに微笑んだ。


「先輩は…本当に優しいですね。私の事なんか気にしなくても良いのに。

わかりました。私から話します」


一年生の子がそう言い放った瞬間に五限目が始まる本令が鳴り響く。


周りには私達の他に誰もいない。