「ヒナに秘密事はしたくない…。でもあの子を助けたのは…」 「大丈夫ですよ、彼女さんに言っても」 ヒカルが私にそう言った瞬間、後ろから聞き覚えのある声が聞こえて来た。 振り向くと、そこには鞄を持ったさっきの子が階段の一段目に立っていた。 「…え?」 「また会っちゃいましたね。偶然通りすがったらお二人の話し声が聞こえてきたもので。私の話ですよね?」 ほんわかな雰囲気を醸し出しながら、一年生の子は言う。