彼氏の余命を知ってる彼女。



「いえ、謝らないでください。大丈夫ですから…。

…彼女さんも目の前で彼氏に告白してしまってすみません。私、明日引っ越すんです。だからどうしても伝えておきたくて」


一年生の子はそう言いながら静かにポロポロと涙を流す。


そんな彼女を見て私は、横に首を振った。


「ううん。ヒカルは私の所有物じゃないし、誰に何されようがヒカルの勝手だから。

だから私に謝らないで。…それに私の目の前でヒカルに告白するなんて感動しちゃった」


私が笑顔でそう言うと、一年生の子は涙を拭いながらクスクスと笑った。


それは悲しい顔ではなく、この子本来の笑顔で。