彼氏の余命を知ってる彼女。



「…いいえ。ダメな話しでは無いです。彼女さんにも聞いてもらいたかったですし」


一年生の子の返答に、思いもしなかった私はドクンと胸が跳ねた。


その子の目は“本気”を語っていたから──。


…この子は本気で──、ヒカルのことが──好きなんだ。


「なら大丈夫だよ」


「…ありがとうございます。

あの、私、杉谷先輩の事、入学する前から好きでした」


ヒカルの目を大きな瞳で見ながら、一年生の子はそう言い放った──。