「私...癌なんです。」


『えっ?』


「なかなか治らないみたいで...。 ずっと入院してて。」


『そうなんだ...』


「でも、私はちゃんと病気と向き合って戦っていく事に決めたんです。」



そういって彼女は俺に笑顔を向けた。




だけど俺は、
その笑顔は偽物ですぐ壊れてしまいそうな気がした。





『無理しなくていいと思う。』


「えっ?」


『作り笑顔下手すぎ(笑)』

「なんで...?」


『だって無理に笑ってる事ぐらい分かるっしょ。』


「そうじゃなくて... 何で想くんは私の心に勝手に入ってくるの...?」