「あのさ、最初に会った時に歌ってたやつ聞かせてよ。」
『えっ? 嫌です』
「えーー。聞かせろよ。」
『絶対嫌ですから!!』
「じゃ、もういいや。」
『あの―。お願いがあるんですけど...』
「お願い?」
すると彼女は頭を縦にふった。
『花火大会に行きたいんです!』
「花火大会?」
『はい。もう少ししたらあるから。 私ずっと病院にいたからそういうのに行った事がなくて...』
「そっか。なら行こ!!」
俺がそう言うと彼女は嬉しそうな笑顔になった。
この笑顔を見ると俺まで笑顔になる。
いつまでも見ていたかったよ。
