小さな光

「相沢！先輩が呼んでるぞ！」


先輩？


私は部活に入っていないから親しい先輩なんていないはずだ。


誰だろうと思い廊下の方に目をやると


屋上で声をかけてきた男の子が立っていた。


目が合うとひらひらと手を振ってきた。


最悪だ・・・


急いで荷物をまとめると私はその男の子がいるのと反対のドアから走って逃げた。


玄関に着く前に男の子につかまってしまった。


「逃げなくてもいいじゃん。今から暇？ちょっと俺に付き合ってよ」


と半強制的に付き合わされることになった。


家に帰ってもやることなんてないから構わないけど・・・


この男と一緒というのがいやだ。


そんなことを考えながらその男についていくと


公園に着いた。


「ちょっとそこで待ってて」


といってベンチを指差した。


私は仕方なくベンチに座って待つことにした。


私が座ったのを確認すると走ってどこかに言ってしまった。


このとき逃げることなんて簡単にできたはずなのに


なぜかおとなしくそこにいる私がいた。


数分すると


「柚香ちゃん！お待たせ。これどうぞ」


と缶ジュースを持って先輩が戻ってきた。


「どうも・・・」