「ねぇ?愛想笑いしてて楽しい?」


屋上で一人ぼーっとグラウンドを眺めていると


後ろから突然そんな声が聞こえてきた。


驚いて振り向くとそこには


笑顔の男の子が立っていた。


「なんのこと?」


わけがわからない・・・


教室に帰ろう。


そう思って歩き出したら男の子は


道をふさぐように私の目の前にたった。


「2年A組の相沢柚香さん・・・だよね?」


「そうだけど・・・」


誰だろう?


なんで私の名前・・・


とりあえず一刻も早く教室に帰ろう


その男の子はずっと笑顔のまま私の前に立っている


「用があるから通してくれる?」


「質問に答えてくれたら通してあげるよ」


「質問?」


何のことだろう


「愛想笑いしてて楽しい?」


なんで気づいてるの?


「とにかく急いでるから」