小さな光

諏訪拓海だった。

「なんでここに・・・今1限目の最中じゃ・・・。」

「あぁー1限自習だったから抜けてきた。」

「あ・・・そうだったんですか・・・でも何で私の居場所・・・。」

私は誰にもここにいることを伝えていない。

走り去ったので目だってはいたが・・・

「あぁ。さっき柚香ちゃんに会いに教室いったらいつも一緒にいる奈美ちゃんだっけ?あの子に柚香ちゃんと喧嘩しちゃったって聞いてね」

「そう・・・なんですか・・・。」

「柚香のこと大好きでいつも笑ってる柚香が目腫らしてたから心配になって思わず気持ちも考えず質問攻めにしちゃったーって泣きそうになってたよ?」

奈美がそんな風に思ってくれてたなんて・・・。

「それでねー柚香ちゃんたぶん屋上にいるって教えてくれたのよー。」

「え・・・?」

何で屋上ってわかったんだろう?

「奈美ちゃんいっつも柚香ちゃんがここで一人でお昼食べてるの知ってたよ?」

ばれてたんだ・・・それなのに屋上に来たり何回かお昼誘われたけど無理やり捕まえるようなことは一度もなかった。

いつも空気読まなくてうざいって思うことが多かったけどすごく私のことを考えてくれていたんだなー。

そんなことを思っていると突然目に何か冷たいものが当たった。

「!?」

「それあげるー」

アイスココアだ。

「ちょっと冷やしておけば目ましになるんじゃない?2限から授業出るんでしょ?」

笑顔でそんなことを言われて少しドキッとした。

何でこの人はこんなに優しいんだろう?

「ありがとう・・・ございます。」

ありがたく冷やさせてもらうことにした。