「斗真と喧嘩したのか?家まで送るよ。」




それ以上宗次郎は何も聞いて来ない。宗次郎といたら、きっと幸せになれると思う。




「菜歩ちゃん、やっぱ遊園地一緒に行こう。」




「明日美、体は大丈夫なのか?」




「大丈夫だよ、それにお医者さんが一緒だから、心配ないでしょ。」




了解、そう言って宗次郎は車を走らせる。




菜歩ちゃんが眠ると、宗次郎が車を止めた。




「明日美、どうした?斗真となんかあったんだろ。」



斗真といると苦しくてたまらない。好きな気持ちが強過ぎで、斗真の気持ちが見えない。




斗真が本当に私が好きなのかも分からなくなる。




指輪を贈る相手がいるのに、私を好きだなんて告白するつもりだったの?




「斗真の部屋に指輪があったの。イニシャルが私のではなかった。」




「イニシャルはなんだったんだ?」




「TとSだったと思う。」




宗次郎がクスッと笑った。



「明日美には教えない。」




Sを知ってるの?




今日は何も考えずにゆっくりお休みと言って、宗次郎は帰って行った。




こんな気持ちのままで眠れない。



泣き過ぎて、身体中の水分がなくなってしまったみたいだ。