「雪子さん、お金で手に入るものなんてない。今からでも遅くない、斗真に告白するべきだよ。」




3人が一斉に私を見る。




「私は後悔してるの。好きなのに拒まれて、その人から20年も逃げ続けた。その人に会うのが怖くて、外にも出れなかった。」




斗真、そんな辛そうな顔で見ないで。




斗真が悪いんじゃない。




勇気を持てなかった私が悪い。




逃げていても何も始まらない。




だから今、凄く悔しい。




今の私なら斗真に詰め寄って、女を甘くみないでよって言える。




たけど10才の私は、臆病で自分に自信もなかった。




雪子さん負けないで、あ、私たち勝負してたんだよね。




自分の単純さに呆れる。




この勝負は私の勝ちでしょ。



雪子さんを見ると呆れた顔をされ、あんなを相手にした自分がバカだった。笑った




「清水建設の株なんてもうどうでもいいわ、斗真さん、又日を改めて告白するから、覚悟しなさい!」




本当にバカらしい。あんたの顔見てたら、バカが移りそうと、私にそう叫んで帰って行った。




疲れた。



バカは移りませんから。