私にどうしろと、雪子さんと対等に戦えというのだろうか。




「じいちゃん、雪子さんはうちの株どのくらいもってんの?」




「はっきりしたことは分からないが、多分半数は持ってると思う。」




「じいちゃん、どんだけ集めた?」




「斗真の分も合わせれば、半数以上にはなる。」




「半数以上あれば勝てるな。」




「あぁ、株主は武井明日美でいいな。」




わ、わ、私が株主?




なんでなの?




別に私の名前でなくてもいいと思う。




「雪子さんは、どんな事をしても斗真と一緒になりたいんだよ。明日美ちゃんが雪子さんと勝負して、斗真の事を諦めさせてほしい。」



勝負って、斗真を雪子さんと私で奪いあうの?




無理、あり得ない。




ジャンケンだって一度もかった事ないのに、斗真をかけて勝負だなんて、負けたらどうなるの。




清水建設と斗真が雪子さんのものになる訳。




ブルブル駄目!




やらない。




「藤川様無理です。私には勝てる気がしない。」




そんな弱気でどうするんだと、斗真に怒鳴られても無理なものは無理なんです。




斗真を助けたいと思うけど、勇気が出ない。