鏡に映るネックレスはキラキラ輝いて、本当に綺麗だ。




「明日美、似合ってるよ。」



後ろから源ちゃんに抱き締められて、身動きがとれない。




源ちゃん離して!




抱き締めてる源ちゃんの顔が、何故か泣きそうだった。




源ちゃん一人で悩まないで、斗真と私を頼ってほしい。




「明日美が好きだ。お願いだからあの時の約束を守って、僕を選んでほしい。」




源ちゃん、こんなの間違ってるよ。




源ちゃんは、私を好きなんかじゃない。




源ちゃんは、私を通して違う人を思ってるんじゃないかな。




源ちゃんは、みんなが見てると言うのに、他の人なんか目に入らないみたいだった。




痛いよ。抱き締める力が半端ない。




ポケットの中に手が入らない。斗真助けて!




「源太郎そこまでだ。明日美を離せ!」




この声は斗真?




斗真は、明日帰るんじゃなかったの。




「俺は必ず明日美を助けるって言ったろ。」




源ちゃんの腕が緩んだ隙に、斗真に抱きついた。




本物の斗真だ。




斗真の頬を触ってみた。




斗真、会いたかったよ。




斗真、本当は怖かった。




源ちゃんを救いたいなんて言っておきながら、何も出来ない自分が情けなかった。