会場内が多くの人でざわつく中、斗真は私を担いだまま中央へ進んだ。



よくやく下ろされた私は、船酔いしたみたいにフラフラだった




え、何?




斗真が私の頭に何かを乗せた。




「斗真、「ティアラだ。」




ティアラ?




何でティアラなの。



「ほら、腕を組め。」




はい、ティアラって、私お姫様みたいじゃない。




斗真を見上げた。




《姫を迎えに上がりました。》




あ、あの時の事覚えていたの。




幼稚園の時、《王子様が私にティアラをつけて結婚して下さいって言うの。》




私はずっとお姫様になるんだと言っていたのを思い出した。




斗真、覚えててくれたんだね。



斗真はやっぱり私の王子様だった。




斗真、ありがとう。



ちょっと待って、こんな転回あって良いの。



でも、嬉しくて涙が止まらない。



嬉しくても涙は出るんだね。