自分じゃないみたいに綺麗なウェディングドレス姿の私が、鏡に映っていた。まるで雲の上にでもいるような感覚で、体も気持ちもフワフワ浮いていた。




「明日美姉、超綺麗なんだけどこのまま準平さんと結婚しちゃえば。」




俺もそう思うと、兼太郎と弘平が現れた。




「副社長本当に来るのかなぁ。時間も迫ってるし、兄貴も時計ばかり見てるよ。」




もう式まで30分しかない。




偽の結婚式までの時間が迫り、半端ないドキドキが収まらなかった。




斗真が来なかったらどうしよう、準平さんの彼女も現れなかったら、今日来てくれた人たち頭を下げて謝るしかない。




私は円香と兼太郎に、準平さんは父親の恭平さんと弘平に頭を下げて、謝るしかないのだ。



私たちの恋を応援してくれた、家族にありがとうと言おう。




だからもう怖くはない、そう決心して一歩を踏み出した。



準平さんが待っている。