「これ以上話す必要はないようだな。明日美は俺が連れて帰る。」



「駄目だ、明日美は渡さない。明日美は俺の婚約者だ。」




「婚約者だと、この浮気男が。」




止めてよ、こんなとこで揉めたりしないで。




今は斗真の言い訳なんて聞きたくない。




斗真といたら又丸め込まれ、私は許してしまうもの。




斗真の為にも許さないって決めた。




「斗真、今日は帰る。今は斗真の顔も見たくない。」



「明日美に嫌われるのが怖くて嘘をついた。俺は明日美を失うのが怖いんだ。」



土下座する斗真を無視した。




「あなたは最低な男です。明日美は僕が守ります。」



準平さんが家まで送ってくれた。




「副社長の愛は本物だと思いますよ、ただ表現が上手く出来ない、恋愛に慣れていないようです。」




色んな女がいて恋愛に慣れてないって、どういう事なのよ。



「明日美さん、僕が恋愛を教えてあげましょうか?弘平はまだ子供ですからね。」




その笑顔に女性はみんなやられてしまうんだろうな。



危ない、危ない。



私は結構ですから。