あぁもうやだ、斗真は何故電話をくれないの。




必ず電話すると言ったのに、もう23時を過ぎているから電話しても大丈夫だよね。



勇気を出して、斗真の携帯にかけたが中々出ない。




【もしもし斗真、ごめん寝てた?】




【あなた誰?斗真なら今ジャワ-浴びてるわ。】




あなたこそ誰?




だど声には出せず、震える手で携帯を切った。




どうして、女の人と一緒なの。



金山さんと加納さんが斗真と一緒に出かけたはずだ。




笑える、私は動揺なんかしない。




これが現実なんだ。



涙も出ない。



斗真にとって、私はなんなのだろうか。



ただの婚約者。



お飾りの秘書。



もう、どうでもいいよ。



だって、携帯が鳴らない。



言い訳もして来ないのが真実だから。



弘平に電話をして1時間も話をした。



【明日美からかけてくるなんて驚いたよ。冬休みでサッカーの練習は午前が多いから、いつでも電話していいよ。】




弘平ありがとう。




【明日美、寒いけど窓開けて空見て星が凄く綺麗だよ。】




本当だ、綺麗。




この空は繋がっているだね、斗真がいる空と。



斗真は星なんて見ないのに。




バカだね。