「明日美ったらとぼけなくてもいいわ。もう深い中なんだから、結婚は時間の問題よね。斗真は私が幸せにしてあげる。」




いきなり斗真が立ち上がり、テーブルをひっくり返した。




なんなの、物にあたるなんて最低。




昭和のカミナリ親父じゃないんだから。




「斗真、酒飲んでるのか?明日美が驚いてるだろ。」




「テーブルが邪魔なんだよ。テーブルがあったら明日美に近づけないだろ!」




なんなのよ一体、斗真は何処までも困らせたいんだ。




斗真が私の膝に顔をうづめて泣き出した。




「明日美は俺のだ。宗次郎にはやらない。」




あのね、こうなったのはみんな斗真のせいなんだけど、斗真はその事分かってる?




加容子さんの問題にしても、何1つ解決してないんだよ。




本当にバカみたい。斗真がこんなに子供だんて、呆れてしまう。




たけどほって置けない、私も相当のバカだ。




泣き続ける斗真の頭を、そっとなぜた。




斗真が昔そうしてくれたように。




優しくなぜ続けた。