会議室の前で副社長が待っていた。




「明日美遅いぞ、ヒヤヒヤさせるなよ。」




もっとヒヤヒヤさせる事があるんだけど、副社長に近づき話かけようとすると、直ぐ後ろに誰かがいる気配を感じた。




「俺から逃げられると思うなよ!」




ヒャー、殺される!




逃げるしかない。




そのまま全速力で走った。



エレベーターに乗り屋上に向かう。




何処か隠れる所はないの。



必死に逃げ場を探してると、何かにぶつかった。




見上げるとあの男だった。



もう駄目!




斗真助けて、30才で恋もしないまま殺されちゃうなんて、悲しく過ぎるよ。




後ろに下がると又何かにぶつかった。




「明日美は、おいかけっこが趣味なのか。」




逃げたくて逃げてるんじゃなくて、この男に追われているんです。




このやくざに殺されそうなんです。




「副社長、彼女は何者なんですか?」




やくざが斗真に話かけた。



この男は何者?




やくざじゃないの。



やくざにしか見えないのに。