ガタガタ震えながら車から下りた。




「おい、顔貸しな。」




顔?




その時車からもう一人の男が出て来て、その男と何かを話している。




私は急いでベンツに乗り込み、エンジンがかかったままの車を、急発進させた。




とにかく逃げよう、逃げるしかない。




この際スピード違反で捕まっても構わない。




やくざに殺されるよりマシだ。




ベンツをそこらじゅにぶつけ、こすりながらもうスピードで逃げた。




あのやくざ着いて来てない、大丈夫だ。




良かった。




会社の駐車場にベンツを止めた。




絶対、副社長に叱られるが、そんな事考えるより会議室にお弁当を届けるのが先だ。




台車にお弁当を乗せ又走った。




間に合って良かった。