ちゃはっ☆とウィンクをしてみると、無言で顔をそらされた。
しかもなんかこそこそしてる。
失礼だよね。すっっっごく。
「ふんだ。みんななんか帰ってしまえ」
『拗ねたように言ったって無駄よっ。もともと態度がそう言ってたわ』
「そっ……そんなバカな…!」
「全員バカやってねえで早く出ろよ。遅れんぞ」
「おいおい。俺ァ静かに見守ってただろうが」
「なにも言わねぇだけですでに共犯だ」
「てことは俺もかよ」
『ああ! 大変! 本当に電車に遅れちゃうっ。あれに乗らなきゃ、飛行機間に合わないわよ!』
『きゃー大変! マヒロ、ありがとうね❤』
『赤ちゃん産まれたら、また遊びに来るね』
『マヒロもまたウィーンに来てね』
『うん。気を付けてね』
『元気でね~! 元気な赤ちゃん産むのよ❤』
『バァイ❤』
ひとりひとりそう言いながら手を振って、小走りに部屋を出て行く。
『ちょ、待てよ! じゃあなマヒロ♪』
「……迷惑被ったのは俺だっつーのに、アイツら一言も挨拶なしに出て行きやがって」
「まあまあ、悪かったって。じゃあな。…フッ。お前さんが父親ねェ? フッ」
「……」
シュンは…なんかすごい鼻で笑って行った。
かえくんをそんな扱いできるってすごいよね。

