秘密のMelo♪y⑦*完結編㊤*


さすがに…遠出は無理だけど、カナダの中なら可能だろ。

どこでもいいから外に出りゃ色々発散するはずだ。

それだけ単純なや……簡単なやつだ。

…変わんねえな。単純でいいか。


「えーじゃあー…やっぱりお買い物かなあ」


「もう充分だろ…」


「でもほら、必需品がまったくない」


「……」


普通逆なんじゃねえのか?

必需品は必需品なんだからいるだろ。

…お前のせいで日本語おかしくなっただろ。


「まだ早いかもしれないけどさ、ほら。早く欲しいじゃん?」


「まあいいけど…。服とかじゃないんなら」


「服はいるわよ? 琥珀達じゃないんだから、必需品よ?」


「必要以上に買ってりゃそれはもはや必需品じゃねえんだよ」


もうたんすを買ってしまったほどに洋服だらけだ。

自分でも買う上に、ちょくちょくもらっているらしい。

お義父さん…藤峰の親戚…うちの母親…。

なんでこう、そろいもそろって服ばっかなんだ。


「でもおむつとかはまだいらないしなー。ベッド…買ったしなー…。あ、べびいかー?」


「それこそどこに置くん…」


……そういえば十分広い子供部屋が与えられていたか…。

まだ生まれてもないのにと思ったが、やっぱり必要だな。


その時ふと…きっと、真裕が生まれる時もこんなだったんだろうなと思った。

あの父親はもっとすごそうだ。


「…なんで見てるの?」


「いや…。ちょっとその子が心配になったというか」


「どういう意味かな?」