さすがに…遠出は無理だけど、カナダの中なら可能だろ。
どこでもいいから外に出りゃ色々発散するはずだ。
それだけ単純なや……簡単なやつだ。
…変わんねえな。単純でいいか。
「えーじゃあー…やっぱりお買い物かなあ」
「もう充分だろ…」
「でもほら、必需品がまったくない」
「……」
普通逆なんじゃねえのか?
必需品は必需品なんだからいるだろ。
…お前のせいで日本語おかしくなっただろ。
「まだ早いかもしれないけどさ、ほら。早く欲しいじゃん?」
「まあいいけど…。服とかじゃないんなら」
「服はいるわよ? 琥珀達じゃないんだから、必需品よ?」
「必要以上に買ってりゃそれはもはや必需品じゃねえんだよ」
もうたんすを買ってしまったほどに洋服だらけだ。
自分でも買う上に、ちょくちょくもらっているらしい。
お義父さん…藤峰の親戚…うちの母親…。
なんでこう、そろいもそろって服ばっかなんだ。
「でもおむつとかはまだいらないしなー。ベッド…買ったしなー…。あ、べびいかー?」
「それこそどこに置くん…」
……そういえば十分広い子供部屋が与えられていたか…。
まだ生まれてもないのにと思ったが、やっぱり必要だな。
その時ふと…きっと、真裕が生まれる時もこんなだったんだろうなと思った。
あの父親はもっとすごそうだ。
「…なんで見てるの?」
「いや…。ちょっとその子が心配になったというか」
「どういう意味かな?」

