――シュンサイド――
『ね、ねえ…マヒロ大丈夫かしら』
『さっきからそれ何回言うのよリジュ…』
『だって~!』
「あれ? 君達そんなとこにへばりついてなにやってるの?」
『あ! マヒロパパ!』
真裕が倒れて…部屋を出てからしばらく後。
ドクターらしき人がやってきた。
それからさらに数十分…中からは誰も出てこない。
正直そりゃ気になるってもんだ。
そこへやってきたのは、毎度お馴染みのあの人…。
娘の状況を知ってか知らずか、いつも通りアホっぽい顔をしている。
「失礼だね君Σ 楓くんくらい失礼だね!Σ」
『パパいつからいたんですか?』
『さっき来たんだよ。楓くんが「そういえば…真裕が倒れて、ちょっと切迫早産を…」って仕事のついでにさらっと言うからさ。あまりの淡々さにへーそうって流しそうになったよ』
『さ、さすがカエデ…』
ふん…。
本当はあり得ねェくらい動揺しまくったくせによ。
真裕が無事だったもんだから幾分安心したんだろ。
そう思わずにはいられない。
『で、あの子達中?』
『あ、はい…』
「おーいまおやー……いっ!? 痛い!」
『はい!?Σ』