――真裕サイド――
「……ん…」
「真裕?」
あ…れ…?
心配そうな表情、声色のかえくん。
朦朧とする意識の中、あたしは必死で記憶を辿った。
「……!」
―バッ
いや…辿るまでもなく。
瞬時に思い出し、咄嗟にお腹に手をやった。
…いる。
「……」
「大丈夫だ。大丈夫だから…。安心して寝ろ」
「かえくん…」
よか…った…。
ほっと息を吐きながら、ゆっくりとお腹を撫でる。
なにかあったかと思った。
「真裕ちゃん」
「あ……みわ先生…」
そのとき、かえくんの背後からひょこっとみわ先生が顔を出した。
「またしばらく絶対安静だよ。本当は入院するのが一番いいんだけど…」
みわ先生はそこで言葉を切って、言いにくそうにちらりと窓のほうを見た。
まだ…いるのかな…。
「真裕ちゃん、あのね」
「はい?」

