秘密のMelo♪y⑦*完結編㊤*


真裕の顔色が変わった。

じっとインターホンを睨んでいたその目に…初めて感情が映った。


『だからこのことを公表できなかったんですか?』

『藤峰さーん!』



『ひど…!』


思わず漏らしたハディの言葉がすべてを物語る。

…言い過ぎだ。あまりにも…。


無意識に眉を寄せ、立ち上がろうとした…その時。


「真裕! どこ行く気だ?」


『!』


「ま、真裕様…」


真裕が出口に向かって歩き出した。

思わず駆け寄り腕をつかむと。


「どうしてあんなこと言われなくちゃならないの? 昔からずっとお金目当てだとか言われ続けてきて…! 亡くなってまでどうして侮辱されなくちゃいけないの!!」


…振り返ったのは、激怒した真裕だった。

こんなに怒っているこいつを見るのは久しぶりだ。

自分の偽者が現れたとき…。

あのときも、お義母さんの悪口を言われたんだったか。


「こらえろ真裕…! 今行ったってしょうがないだろ」


「言わせとけって言うの!?」


「じゃあ今出て行ってどうなる? 何をする気なんだ?」


「なんにもしない! できないもん! だけど黙って言わせてなんかやらない!」


「真裕…!」


「っ…」


諭すように目を見ると、一気に涙を溢れさせる。