秘密のMelo♪y⑦*完結編㊤*


「あ、そうだそうだかえくんねえねえねえねえっ」


「あん?」


「あのねーまおねー昨日ねー」


「うん?」


ひょいひょーいっと椅子を持ち上げては運び、机を担いでは運びを繰り返すかえくんのそばをまとわりついた。


「昨日みわ先生が来たでしょ?」


「ああ」


「そんで『やっぱり女の子だねー』って言ってたでしょ?」


「いや、俺そのときいなかったし」


「言ってたの。…そんでそのあとねーえ? これ読んでねって冊子を渡されたのよ」


「冊子?」


置いた椅子がぐらつかないことを確認してから、かえくんはあたしを座らせた。

そして自分ももう一つの椅子に座り聞き返す。


「うん。えっとねー、タイトルが確か…『妊娠&出産、子育てまでよぉく分かる本in藤峰家』。著者みわ先生」


「……」


「言ってやれよセンスないって」


「…別に思ってねぇよ」


うそつけっ。

引きまくった顔してたわ。


「まあ…タイトルはあれだけど、中身は普通だったのよ。お父さんへってページもあったよ」


「へえ…」


この人そういうの一つも読まないから…。

あたしは一応、本買って読んだりしてるのよ。でもかえくんは目も通さないの。

そろそろ勉強してもらわないと困るからね。