『死因や場所は不明ですが、半年以上も前であると…』
「……」
途端音が途切れたかと思えば、メイリーがリモコンを持っている。
咄嗟に消したんだろう。
俺はといえば、厳しい表情の真裕と向かい合っていた。
「真裕、あのな」
「父様じゃないでしょ? なんで?」
「それは…」
―ガチャッ
「お、お嬢様! どうしましょう…!」
「…!」
口を開きかけたとき。
明らかに食器を下げに来た様子ではない坂本さんが慌てて入ってきた。
「あっ…ノ、ノックも致しませんで…! しかしその…緊急事態でして…」
「なに?」
いつもと違う真裕に気が付く余裕もない。
嫌な予感がした。
「奥様のことで…テレビカメラや、記者の方々が…」
「……そう」
…真裕だって、分かっていた。
いつまでも隠し通せるものじゃない。
仮にそうできたとして、そうするものじゃない。
それでも…嫌だったんだろう。
こうして根掘り葉掘り詮索されるのが……嫌だったんだろう。

