秘密のMelo♪y⑦*完結編㊤*


――真裕サイド――


―バンッ!


「わたたっ…!」


かえくんと二人、ラブラブ❤な時間を過ごそうとしていたその時、何の前触れもなく音を立てて開いたドアに、驚いて思わず飛び上がった。


「な……」


「ま、真裕様! たたた大変でございま…! …あっ、いえ! や、やはりその…楓様だけ少しお話よろしいでしょうか…」


「お兄ちゃん」


神崎のお兄ちゃんだ。

もういないと思ってたのにまた騒々しく飛び込んできた。

今度は何かと顔をしかめれば、なぜだか焦ったような…困ったような…どうしていいか分からなそうな、複雑な表情でかえくんに言った。


「…?」


「…待ってろ」


「なんで俺?」そういった目をしながら、あたしに声をかけてかえくんは出て行った。


「…なんだろおね紅葉」


「くうぅ…」


「そんな寂しそうな顔しなくたっていいじゃなーい。まおだっているのよ。かえくんがすべてじゃないわっ」


くそうっ。

人間の女ばかりでなく、わんこにまでモテるとは…!

やるな、うちの旦那。

この分じゃ、娘まで取られかねないわ!?

うーむ……。


「……ていうかそれ以前に、かえくんはあたしのだよ」


「わうぅっ」


「あたしんの!」


「わうわうっ」