秘密のMelo♪y⑦*完結編㊤*


「…って寝るなΣ」


「はう!?」


「ったく…夜だっつってんだろ」


「え…? 夜寝るのは当たり前だよ…?」


「昼から夜まで寝るののどこが当たり前だΣ」


「ええっ! そうだっけ!?」


…こいつのこえぇのは、これを本気で言ってるとこだよ…。


「そら起きな? 飯食わねぇと、また点滴だぞ」


「死んでもするもんか」


「バッカ飯食わずに点滴もせずにいて死ぬのは、まず子どもだ」


「食べる!」


「よし」


ふっ…。単純。


やつらはよく、真裕を扱いにくい分かりにくいというが、俺からすればこんなに単純なやつは他にいない。

少し前なら「俺のため」。

今なら「子供のため」。

そう言えばコロッと態度が変わるんだからな。


「ごはんは?」


「まだ厨房」


「なんだー。お部屋に来てから起こしてほしかった」


「一秒でも長く寝るつもりかお前は」


思わず呆れて言ってしまう。

本当に、ほっとけば何時間でも寝てるんだろうなコイツ。


ぴったりくっついてくる真裕の背中に手を回しながらそう思った、その直後のことだった。


―バンッ!