秘密のMelo♪y⑦*完結編㊤*


幸せというものにたどり着くまで、人はなぜこんなにもかかるのだろう。

悪いことは一気に襲ってくるという。

まだ何かあるのかなー…なんて、最近あたしはネガティブだ。


「まとなてぃーぶらっくだ!」


「もしかしてマタニティーブルーと言いたいのか?」


「あらユウキおかえり」


「あんたほんと面白いな」


「そうかしら?」


わたしはいたってまじめですだ。


急に出てきて突っ込んでくるユウキにももう慣れた。

今日は学校が早く終わったらしい。


「こんなとこでなにしてんの?」


「ああ、そうよ。中庭に行くんだったわ」


「一人で? 楓は?」


「あんたまでそんなこと言わなくたっていいじゃなーい。あとから来るわよきっと」


「あとからって…よく許したな、あいつが」


「坂本さんが一緒だもの」


どうせあの人のことだ。

坂本さんが一緒に行くことくらいお見通しだったんだと思う。

それか付いて行かせる気だったんだろうな。


「じゃ、そういうことだからお腹空いてたら自分で何か用意してね。坂本さんはそんなことしてる暇ないから」


「おいおい朝飯も食ってないんだぞ…」


しょうがないじゃないの。

今うちに、家事をする使用人は他にいない。

本邸にならたくさんいるんだけどねぇ…。