――蓮二サイド――
「うん。またね」
なぜだか妙に動揺しているまおちゃんとの電話を終え携帯を閉じる。
そして、なぜかまた部屋に居座っている花梨に目を向けてみた。
「切っちゃったのー? まおと話したかったのにぃ」
「でもなんか様子おかしかったし…またにした方がいいと思うよ」
「ていうか結局なんだって?」
「さあ…」
付き合っているのか…なんてことを聞かれて。
いざそう聞かれると分からなくて。
好きなのかどうかすら…僕には分からない。
それになぜかやたらと「ちゅう」を勧められたね。
あれはなんだろう。
あの夫婦にそういうものが多いからだろうか。
「…ねえ花梨」
「なにー?」
「ちょっとそれ食べるのやめて、こっち来なよ」
「なになに。どうして?」
そう言いながらも、不思議そうに寄ってくる花梨。
クッキーを一枚くわえて隣まで来た。
「僕ら……付き合ってるの?」
「なに。また同じこと」
「いや…気になったんだよね」
「さあねぇ…。どうなのかしらね」
…なんで。
なんで、僕も花梨も否定しないんだろうか。