――楓サイド――
『あ、マヒローこれお土産よ』
『なあに?』
『赤ちゃんのおくるみ。女の子って分かったって聞いたから、こんなのついてるのにしちゃった❤』
『きゃーっ可愛い! ありがとハディ❤』
…騒々しい。
『なあユウキ、こっちの学校ってどうなの?』
『別にどうってこともないし』
…騒々しい。
『それ藤峰の会社の仕事か? おーおーすげぇな…』
……なんだってこんなに騒々しい?
「…おいてめぇら少しは声のボリュームくらい下げらんねぇのか」
『ムリでぇーすっ』
「……」
声揃えやがってこの野郎どもが…。
「かえくん休憩したら? ポトフが美味しいよ」
「ハア……」
「大丈夫っ。仕事多いんだったら父様に文句言えばいいから。『多いわボケ! 少しは自分でやれよエセ社長!』…って❤」
「言うかΣ」
大体仕事の量の問題じゃない。
突如連絡もなく押しかけてきたこいつらのせいだ。
迷惑はなはだしい。
『あらぁ。だってこの家の主はマヒロでしょー? カエデに連絡しなくてもいいってことじゃない❤』
『あいにくだがな…』

