かえくんから愛の指導を受けていたとき。
厳しくも愛に溢れる指導を受けていたとき。
いやむしろ愛情を一身に受けていたとき!
「調子乗んなよコラ」
「ごめんなさい」
…そんなとき、後ろから声をかけられた。
「…どちら様で…?」
「親戚の人だよぉーん」
両手でピースサインなどしてみせるこの若い男性。
髪の毛がちょっと長くて茶色い。
親戚の人なのは当たり前だ。
それ以外の人はここにはいないのだから。
でも…。
「…?」
「覚えてないのー? 俺はー君のお祖母様の姉の息子の初恋の人の弟の娘の甥っ子さっ」
「遠っΣ え? てか初恋の人出てきた時点で親戚の人じゃなくね⁉︎Σ えっ? てか意味分かんないΣ」
「ふっ…嘘さっ」
……。
「かえくんなんかめんどくさそうなの出てきた…」
「…藤峰家ってのは一体どうなってんだ」

