ぼそぼそと囁き合う失礼な従姉妹たちはひとまず置いておいて、ともあれ正式なお披露目会である以上ないがしろにもできず…。
…と、とはいえあたしは実はこう見えて大勢の人が苦手なため、即座にかえくんの後ろに引っ込んだ!
「なにやってんだお前はよ」
「いえ。挨拶かなにかでもしたほうがいいのかしらと思ったけれどよくよく考えてみればこのあたしにそんな真似できないと気付いて愛するだぁりんの後ろに隠れてみてついでに言えばいい匂いだななーんて惚れ直してみたりしているのです」
「なげーよ。つか相変わらずよく回る舌だな」
「だって…! 愛してるんだもの…!」
「関係ねーよ」
「こんな惜しげも無く愛を語られて、恥ずかしくないのかしら」
「そこんとこサラッと流しちゃうあたりも、さすがは真裕お従姉様の旦那様ねっ」
なにかにつけて囁き合う彼女らは、ひょっとして本当にあたしが気付いてないと思ってるのかしら?
そういう思いを込めて、キラリと目を光らせてみた。
と同時に、またも父様の声が響いた。
「えー、皆様ご存知のとおり、我が娘真裕はかわゆいかわゆい真裕はこう見えて意外とシャイなので、そんなとこも可愛いのだけどいつも通りテキトーに飲み食いしましょうってことでそれよろしくっ」

