「では楓くんからありがたい一言をどうぞ」
「ああ?」
「ひっ…‼︎ ま、まおやーい! 楓くんが怒った!」
本気の半泣きで訴えかけてくる中年男は本気で気持ち悪かった。
「うん…当たり前だよね。なんせかえくんだよ、怒らないわけないじゃない」
「お前はお前でどういう意味だ」
いやん。
ていうかどさくさまぎれにかえくん戻ってきてるんだけど。
親戚の集まり? ケッ! 知ったことか!
…みたいな!?
わーおこの清々しいまでの俺様自己中っぷり!
さすが! さすがあたしのかえくんっ、愛してるぅ♥︎
「言っておくが後半全部声に出てるからな」
「はっ…そ、そんな! 人前で告白しちゃった!」
「そこじゃねえだろ馬鹿」
なんでこうも真顔で自分の妻を馬鹿呼ばわりできるのか甚だ疑問だが、そこはまあ、かえくんだからということで、深くは考えないことにした。
「やっぱり星野楓ってただものじゃないんだね。従姉さまどころか、洋おじさままで手玉に取っちゃうなんて…」
手玉にってあーた。

