「それよりあなたこそ休んだら? 最近仕事ばっかりじゃない」
「そんなもん、俺に言われてもな…。あの人が持ってくるんだから仕方ねーだろ」
「いいのよ父様の言うことなんて無視すれば」
「そりゃお前はな」
うん。あなたでも大丈夫だと思う。
どうせ「楓くんたらひどいっ」とかって嘘泣きする程度だわ。
「じゃあ今日は…デート行こっか❤」
「本気で言ってんのかコラ」
「きゅう…」
身も蓋もないとはまさにこのこと!
ぐさぁっ…って刺さったわ…矢が。言葉の矢が。
「だあってぇ…。もう一ヵ月もどこも行ってないのよ。行こうよ行こうよ~」
「そんなことしたらここも知れるぞ? いいのか?」
「う…」
それは…ちょっと…。
この子が生まれて本邸に帰るまでは…ここを知られたくない。
毎日押しかけられるのは嫌だから…。
残念だけど、変装という手はなぜか使えない。
バレるのだ。
かえくんのオーラのせいかなんなのか、絶対にバレてしまう。
いつかの日本人の彼らが言っていた。
ほら…ふたごとかいう地球外生命体。
「地球外生命体とか言うな。世界中の双子に謝れコラ」
「ごめんなさい」
…そう。だから言ってたんだって。
『どうりで輝いてると思った…』って。

