くすくすとおかしそうに笑うかえくんに連れられて、あたしは真愛を抱いて大広間へと向かった。
せっかく可愛い服を着せたというのに、梨音達には出番がないらしい。
それを聞いたときにはもー、できることなら小一時間ほど泣きはらしたいほどだった。
「つーかこれはなんの会だ?」
「お披露目会でしょ?」
「いや…そうじゃなくてな」
かえくんがそう言いかけたときにはすでに、大広間の扉が目の前で。
彼は仕方なさそうに口をつぐんだ。
「失礼しますわ」
そしてあたしは、そう声かけながら扉を開ける。
数年ぶりにお会いする伯父様方もいらっしゃるはずだわ!
「さ! あたくしこれからあなたとこの子の自慢で忙しいから、あとは適当に頑張って♥」
「は?」
ありえない、とでも言いたげなかえくんを華麗にスルーして中へと入った。
「ごきげんよう叔母様。お待たせいたしまして申し訳ありません」
「あらまあ真裕ちゃん! 大きくなって……あらっ! まあまあこの子が真愛ちゃんね?」
一番手前にいたのは、時江叔母様。
父様の妹にあたる方だ。

