「しかし待て。かといってなぜ行きまでおとおさんに運転させるん…」
「早く」
「生意気Σ!」
「かえくん真愛抱っこしててー」
「ん」
まあわざわざ助手席にも乗りたくないし?
ちょうどいいと言わんばかりに真裕の隣に乗り込んだ。
「赤ちゃんって意外と重いよね」
「琥珀と変わんねえだろ」
「そおかなー」
腕を伸ばしながら真愛と琥珀を見比べる真裕に、見ただけで重さは分からんだろうとは言わないでおいてやった。
……のに。
「かえくん…! 見た目で重さって分からないって…! 知ってた…!?」
「人がせっかく黙ってておいてやったってーのに、お前ってやつは」
心底衝撃を受けた表情でそう報告してくる真裕に、頭を抱えずにはいられなかった。
「こんな子が奥さんだと毎日退屈しなくていいだろ」
「むしろ疲れるわ。もし真愛がこうなったらさすがの俺でも手に負えない自信がある」
真愛には、絶対に一般常識と人並みの金銭感覚くらいは身に付けさせようと思っている。
まともに生きていけねぇからな、これじゃあ。

