「ちょっと泣かないでよ! 汚いわねーもう」
「汚い!?」
「お義父さまとお義母さまって仲がいいわよね」
いや、お前にはあれが仲よく見えるのか。
…まあ悪いわけではないが…。
「こら楓、定期的に真愛ちゃんの写真を送りなさい」
「気が向いたらな」
「気が向い…!?」
「お義父さまお義父さまっ、あたくしが送りますわ♥」
「なんていい子! 真裕ちゃん! お前いい子を嫁にもらったなあっ」
「きゃっ♥ やだーんお義父さまったら!」
めんどくせぇやつらだな…。
この二人、一緒に住んでなくてよかった。
揃ってたらめんどくせぇことこの上ない。
自分でも分かるくらいに冷めた視線を注がずにはいられなかった。
「まお、そろそろ野木さん来てるぞ」
このまま放っておくといつまでも馬鹿をやっていそうだったので、その前にブレーキをかけた。
「はーいっ。……ねえ今馬鹿とかって…」
「じゃあ帰る」
「はいはい気をつけてね。……にしてもあんたって本当冷めてるわね」
真裕たちを車の中に押し込め、親父を運転席に押し込んだ。
「ちょっと待てこれはどおゆうことだ」
「なにを馬鹿な。俺が運転していっても、じゃあこの車その後どうするつもりだ」
「はっ持って帰らねば!」
そらみろ運転して帰る人間がもう一人必要だ。

