「いや、まだ真愛生後1ヶ月だろ。何年後に帰ってくると思ってんだよ」
「半年後」
「生物学上不可能だΣ」
相変わらず面白いなーお義父さまとかえくん。
「あれっ琥珀、梨音と紅葉は?」
ふと足元を見ると、琥珀だけが一生懸命あたしを見上げていて。
梨音と紅葉の姿が見当たらない。
「わんちゃん可愛いーっ! あなた達ともお別れなのね」
……と思ったらいた。
いつの間にかお義母さまが抱き締めてた。
「うちもわんちゃん飼おうかしら…」
「次来たらたぶん犬の一匹や二匹居るぞ」
呟くお義母さまを見て、かえくんは確信を持った顔でそう言った。
「楽しみだねぇ」
「別に」
……冷たいのー。
「おいこらそれどうする気だ」
「え? かばんにいれるの」
ママからもらったおべんと大事にしなきゃ♥
「そんなとこに入れたらまた出せなくなるだろ」
呆れ顔でそう言いながら、かえくんはあたしの手からおべんとを奪った。
「あーんまおのおべんと!」
一生懸命手を伸ばして取り返そうとするのに、如何せんこの20センチ以上の身長差が邪魔をする。
「こっちの手提げに入れときな」
「ん…うん、わかった」

