――真裕サイド――
そうして、一年ぶりとは思えないほどに今まで通りの日々を過ごして、一週間の日本滞在はあっという間に過ぎていった。
「かえくん明日もう帰らなくちゃだね」
「うん」
「聞いてんの?」
「んー」
聞いてねーな。
「なにやってんのーねえ」
あたしの問いかけにも上の空なかえくんは、なにやら熱心に書類と睨めっこしてる。
「あっ! 睨めっこっていっても変な顔はしてないよ! いつも通り素敵っ♥ ちゅうしたい!」
「…バカだろお前」
「違うよ違うよかえくん」
「じゃ暇なのか」
そう!
よく分かったねさすが!
「……」
「ねーえー。ねえかまってかまってーねえねえねえーっ」
実家にまで仕事を持ち帰る徹底っぷりに、唇を尖らせずにはいられない。
まとわりついてみてもかえくんはうっとうしそうにすらしない。
……つまんない!
「ちかたーん見て見て! ほらっかららーん」
仕方がないので真愛で遊ぶことにした。
…まちがえた。
真愛と遊ぶことにした。
「真愛に遊んでもらうんだろ」
「そう……なの?」