「かえくん終わった」
「ん」
楓を見上げてぴょこんと首を傾けながらそう報告したまおちゃん。
そんな彼女の頭に手を乗せると、車の鍵をものすごく適当に投げつけてきた。
「…君ね」
文句を言おうと口を開いたけど、子供を受け取る楓を見ていると、なんかもうそんな気すら失せた。
「ハア…」
「辛気臭いわね」
「うるさいなΣ」
「まおたんあそこやで。ほれ、ケーキ」
「キャーッ♥!!」
修平の指差した先を見て、途端に目を輝かせるまおちゃん。
キラキラさせながらもしっかと楓の服を掴んで離さないあたり、さすがだ。
「早く行こーうっ」
「こら引っ張るな」
「あっ待ってよまおー!」
まおちゃんを追いかける花梨の後ろを歩きながら、ふと思った。
僕ら、どういう集団に見えてるんだろうな…なんて。

